ウナギの起源は1億年前後の白亜紀後にインドネシア付近で派生したと推定されています。海流に乗って西へ分布域を拡大したグループ(ヨーロッパウナギとアメリカウナギ)と起源した場所付近にそのまま残ったグループ(日本ウナギ・オーストラリアウナギ・その他)に分かれました。
ここで生まれたウナギの仔魚は北赤道海流によってゆっくりと西へ輸送され、やがて黒潮に乗り換えて東アジアのウナギ分布域(台湾、中国、韓国、日本)へやってきます。北赤道海流から黒潮へうまく乗り換えのできなかった個体は、フィリピンに沿って南下するミンダナオ海流に取り込まれ、親ウナギの分布しない地域へ運ばれます。これらの個体は死滅回遊(無効分散)と言われています。